住宅は新築完成のときから、老朽化が始まります。もし、なんの手入れも、部分的な補修もせずに住んでいたら、どうなるでしよう。
10年~15年で大修理が必要になるといわれます。

 

20年、30年と住まいをながもちさせるためには、この表にあるように、定期的に手入れをして、低下してくる耐久力をアップしなければなりません。
使われている建材の種類によって、手入れをする周期があるのですが、その大体の目安がこの表です。こういう手入れをお宅ではやっていましたか?

 

屋根を塗りかえる、外壁を塗りかえる、雨戸、サンデッキ……、外まわり全部の塗りかえといったことになると、費用も大変ですし自分でやるとしても、時間をどう生みだすかが問題です。

 

この表は手入れ時期の目安ですから、あらかじめ計画をたてて、今年は屋根を塗り、来年は外壁を塗りかえる。
春休みの1日を利用して、家族そろって門扉からフェンスを塗りかえる、お昼は庭でお弁当をひろげて……といった具合に、たのしい家族の行事にしてみてはいかがでしようか。Do it yourselfでなくてはできない計画といえましよう。

 

手入れの費用も節約できますし、それも一度に支出しないですむのです。こんなところにも親子の対話がありますし、住まいを大切にするということを、次第に子どもたちに教える絶好のチャンスでもありましよう。

区分新築から
2年以内
新築から
3~4年
新築から
5~7年
新築から
10年

カラー
トタン
クギが落ちていたり、アンテナ工事でかわら棒を踏みつぶしたりすると早くサビが出る 1回目の塗り替え時期 2回目の塗り替え、以後は3年周期で塗り替える トタンの合わせ目がすいていないか、赤サビの発生はないか徹底点検
かわら アンテナ工事などで屋根に上がるときは、谷部分に足をかける。   かわらの割れ、ずれを点検して、異状があれば補修
コロニアル 塗装の傷みぐあいに注意。はがれていれば塗り替え 1回目の塗り替え、以後3~4年で塗り替え、かわらの割れ、ずれにも注意 かわらの割れ、ずれに注意
雨どい 毎年1回は清掃して、雨水がスムーズに流れるように点検、以後も毎年清掃   各部分の傷み、反りの点検、傷みぐあいでは交換 全体的に総点検が必要。部分的交換はどうしても必要になる

モルタル
リシン
仕上げ
ヒビ割れに注意、発見したら屋外用コーキングで埋める 収縮の落ちついた時期、ヒビ割れの総点検をして補修。汚れぐあいで塗り替え 1回目塗り替え。以後3~4年で塗り替え、ただし弾性塗料なら7~8年 総点検、はげ落ち部分はモルタルで補修
サイディング
(木質系)
  西日を受ける面は塗装に注意。浮き上がりがあれば塗り替え 1回目塗り替え、以後は3年周期で塗り替え。すき間や割れにも注意。あれば塗装前に補修 割れ、腐れに注意、必要があれば一部変換も
サイディング
(鉄板系)
  4年ぐらいから塗装に注意、変色、浮き上がり、サビの点検。必要があればトタン用塗料で補修塗り。以後は3年周期の塗り替え






木製 水はけに注意、取り付け部・床の裏側など 塗装の浮き上がりに注意、あれば塗装。以後2~3年ごとに塗り替え クギのゆるみ、腐れ点検。あればスクリュークギで締め直したり、一部交換。踏み抜き、転落事故などのないように
鉄製 水はけに注意、水がたまりやすいパイプなどは水抜きの穴をあけておく 塗装の浮き上がり、赤サビに注意。あれば塗り替え。以後3年ごとの塗り替え サンデッキは手すりのゆるみ、溶接個所の点検も、異状を発見したらすぐ補強を。アルミ製はキズ、白サビに注意し早目にアルミ建材用塗料で補修
ぬれ縁 白木のぬれ縁は新しいうちに外部用ニスか、防水剤を塗っておく。毎年塗り替え 汚れてきた白木のぬれ縁はよくサンディングし、白木用漂白剤で白木に戻し再塗装、あるいは木部用で塗りつぶす。木部用塗料が塗ってあるときは2~3年ごとに塗り替え


・塀

鉄製の
門扉
フェンス
  赤サビはなるべく発生させないように、塗装の浮き上がりなどがあれば、すぐ塗り替え。以後2~3年ごとに塗り替え
ブロック塀 郵便受け口の下などは防水剤を塗ると、汚れを防ぐこともできる 汚れは住まいの洗剤で洗う。油ハネは塗料うすめ液、ガソリンで洗う、汚れぐあいで塗装する 強度を点検。グラグラするようなら、壊すか補強の控え壁を
板塀
木さく
できるだけ防虫、防腐塗料か、木部用塗料を塗っておく 汚れや塗膜の状況で塗り替え。塗り替えたなら2~3年ごとに塗り替え 腐れがないかゆさぶって強度を調べ、状況で部分修理か全体iこ作り直し



浴室 ドア、敷居はなるべく早く防水処理を。浴槽まわりの目地は随時点検して補修。防水剤は半年ごとか1年ごとに 2年ぐらいで壁、天井の塗り替え。カビの生えやすい場合は半年に1回ぐらいの防カビ処理を。塗り替えは2~3年ごとに
トイレ タンク内は年1回清掃。浮きゴムの周囲は特によく洗っておく パイプの水漏れはないか、タンクは正常にはたらいているか。5~6年でそろそろ部品交換の時期。適当なときに浮きゴム、ボールタップ用のパッキン、鎖などはそろえておくとよい
排水設備 最低年1回は排水管の脂肪層の除去を含めて清掃。排水桝は調べて年2回ぐらい清掃を目安に、清掃用具が常備されていると、いざというときに困らない 給水、排水ともに、全体的にパイプの老化度、水漏れがないかどうかをチェックする。上水道は水道課などに依頼する
給水設備 2年ぐらいで水栓蛇口のパッキンは交換が必要になる。ハンドルの下、取り付け部分なども水漏れがあれば、すぐパッキン交換
  建具・ドア 丁番(ちょうつがい)、戸車は毎年点検して油をさしておく。戸車の寿命は2年ぐらいと考えておく、引き戸は指1本で軽く動くのが標準 戸締まり錠総点検の時期、ぐあいの悪いものは交換が必要。シリンダー錠は油をささず黒鉛の微粉末かシリコンオイルを使わないと、使用不能になる